今年もオールスターの季節がやってきた。NPBオールスターゲームは、7月23日・24日の2日間にわたって行われる。各タイトルを争う実力者、人気者たちが集う夢の祭典だ。過去にも様々な名場面がこの祭典を彩ってきた。そのうち、代表的な3エピソードを振り返りたい。

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江夏豊の9連続奪三振(1971年 第1戦)
会場:阪急西宮球場

 前年のオールスターで8奪三振と当時の最多記録を達成した江夏豊(当時・阪神)。この年はそれを上回る伝説的記録を達成した。第1戦に先発登板し、先頭の有藤通世(ロッテ)を三振に切って取ると、その後も長池徳士(阪急)、江藤慎一(ロッテ)ら、パ・リーグの強打者相手に9連続三振を達成した。ちなみに、この試合で江夏はスリーランホームランも放っており、まさに投打にわたる活躍となった。


「K・K対決」ついに実現(1987年 第3戦)
会場:阪神甲子園球場

 PL学園の投打のヒーロー清原和博(西武)と桑田真澄(巨人)。ドラフト史上に残る2人の因縁は、いつしかファンの中で「夢の対決」に形を変え、その時を待ちわびた。実現したのは共に2年目のオールスター第3戦。全セ先発の桑田と、全パの3番に入った清原の対決は1回裏に訪れた。桑田が投じた初球のストレートを清原が豪快なスイングでレフトスタンドに放り込んだ。この対決は同年の日本シリーズまで続くことになる。


新庄剛志、奇跡のホームスチール(2004年 第2戦)
会場:長野オリンピックスタジアム

 2004年に日本ハムに入団した新庄剛志(登録名はSHINJO)。3回裏の2打席目に左中間を破るツーベースヒットを放つと、その後2アウト3塁の場面で、意表を突くホームスチールを敢行。まさかの行動にバッテリーも素早く対応するも間に合わず、みごと成功。オールスター史上初の単独本盗となった。このプレーによりMVPを獲得、名選手ぞろいのオールスターでも、新庄はひときわ光を放つ存在だった。