高丘陽平 写真:Getty Images

 日系人FW中村健治(ケンジ・ジョバンニ・カブレラ・ナカムラ)は7月22日、ペルー1部FBCメルガルからMLS(アメリカ・メジャーリーグサッカー)所属バンクーバー・ホワイトキャップスへ完全移籍。元横浜FC、サガン鳥栖、横浜F・マリノス所属のGK高丘陽平とチームメイトになったが、将来的な日本代表入りが期待される。

 ケンジの去就を巡っては、ペルーの移籍市場に精通しているジャーナリストのケビン・パチェコ氏が7月15日の時点でバンクーバー移籍で合意に達した可能性を報道。すると、バンクーバーも22日に同選手の獲得を発表しているが、ドイツの移籍専門サイト『トランスファーマルクト』が伝えたところによると、バンクーバーは120万ドル(約1億7,600万円)の契約解除金を支払った模様。同選手と2028年までの複数年契約を結んだが、契約には1年の契約延長オプションが盛り込まれているという。

 滋賀県出身であり、ペルー人の父と日本人の母を持つケンジは、身長174cmで右利きのアタッカー。Jリーグクラブ在籍歴はなく、2019年にペルーでプロデビュー。2021年からFBCメルガルでプレーしているが、2023年9月のW杯南米予選でA代表に予備招集されるなど、国内トップクラスの有望株として話題を呼んでいた。

 その実力はペルー1部リーグでも証明される。2024シーズンに28試合の出場で4ゴール6アシストと結果を残すと、2025シーズンも16試合の出場で6ゴール2アシストをマーク。2025年2月にスウェーデン1部BKヘッケンからの関心が報じられるなど、以前から海外移籍の可能性が取りざたされていた中で、MLSに新天地を求めている。

 現在22歳のケンジは、U20ペルー代表でのプレー歴、A代表招集歴があるものの、国際Aマッチでの出場経験は無し。日本代表招集も可能であるだけに、日本サッカー協会(JFA)がMLSでのパフォーマンスに注視し、日本代表入りのむけて働きかける可能性も考えられる。