稲村隼翔 写真:Getty Images

 スコティッシュ・プレミアシップのセルティックが今2025年夏に、J1のアルビレックス新潟から獲得した左サイドのDF稲村隼翔は、ここまでのプレシーズンで上々の滑り出しを見せている。移籍金は約25万ポンド(約5,000万円)と伝えられており、その金額以上の価値があるとの見方が早くも出ている。

 そんな中、スコットランドメディア『The Celtic Star』は、稲村の真価はこれから問われるとし、冷静な視点を保っている。稲村はプレシーズンマッチとして行われた7月9日のコーク・シティ戦(2-1)と、19日のニューカッスル・ユナイテッド戦(4-0)の2試合に出場し、後者では55分間プレーして滑らかなパスや前方への推進力を見せ高評価を得た。

 しかし同メディアは、プレシーズンの稲村のプレー内容をそのまま真に受けるべきではないと指摘している。プレシーズンの試合は真剣勝負の緊張感や勝敗の重みがなく、激しいチャージや本格的な競り合いも見られない。フィジカルの強度が大きく抑えられたプレシーズンの環境下でのプレーが、公式戦で通用するかどうかは、現時点では分からないと論じている。

 稲村は当初、セルティック加入後にローン移籍の可能性も示唆されていたが、クラブのブレンダン・ロジャーズ監督はUKメディア『Daily Record』の取材に対し、「100%考えを変えた」と発言。「稲村はボールを扱うのが非常にスムーズで、前に出るプレーもできる。私自身驚かされた」と語っている。

 また、チームメイトのベルギー人MFアルネ・エンゲルスも「稲村はチームにうまく適応しており、クオリティも高い」と評価している。