20日に実施された参議院選挙では自民・公明の与党が非改選議席を含めて過半数を割りました(図表は日本経済新聞電子版から)。
現状の石破政権の政治運営に対する不満が批判票として他の政党に流れ、参議院も少数与党に転落しました。
自民党・公明党の連立与党の敗北であることは確かですが、各党の議席の増減を見ると別の見方をすることもできます。
まず、野党第一党の立憲民主党ですが与党を過半数割れに追い込んだと強気の姿勢を見せていますが、自らの議席も22と横ばいで与党に代わる政党として有権者に認められたとは言えません。
今の自民党に期待できないと考える有権者も、もう一度(立憲)民主党にやらせてみようとは思っていないことを示していると思います。それだけ前回の民主党政権の時の苦い経験が忘れられないのだと思います。
また、れいわ、社民、共産などのラサール石井氏がいうところの「お花畑組」も伸び悩みました。この手の左派の現実性のない政策も国民はそれほど支持していないのです。
自民党は議席を減らしたとはいえ、これだけの逆風の中で、公明党と合わせて過半数マイナス3議席に踏みとどまることができたとも言えます。
反省すべき点を反省し、日米関税交渉などの政治的懸案に目処が付いた時点で人気の無いトップを交代させれば、今回をボトムに復活することは充分可能に見えます。
一方で、大きな躍進をした国民民主党と参政党ですが、議席大幅増は国民の期待がそれだけ大きいことを示します。
議席増加に浮かれて3年後の大きな国政選挙までに公約について目に見える結果を出せなければ、期待は大きな失望に変わり有権者から見放されることになるでしょう。
この2つの政党は今回の選挙でこれからの政治活動の大きなチャンスを国民から与えられたと考えるべきです。
政治はビジネスと同じで結果が伴わなければ意味がありません。公約として掲げた政策をどこまで実行できるのかが問われます。他党との政策の隔たりをどう調整して、インフレ対策や社会保障料、消費税への対応などをしていくのか。