●この記事のポイント ・携帯ショップに足を運んだほうが、トータルでみるとコストダウンにつながるケースがある ・どんなプランがあるか、どんなプランが自分に合っているかわからない人は店舗で相談しながら契約 ・新規契約や乗り換え手続きは大型家電量販店内のキャリアショップがお得な場合もある

 携帯ショップの店舗数が速いスピードで減少している。モバイル・IT市場をメインに市場調査を手掛ける株式会社MCAが調査・発表した「キャリアショップの展開状況と店舗・代理店一覧 2025春」によれば、今年3月までの約3年間で携帯ショップの数は1027店舗も減少したという。キャリア各社は割安かつお得なオンライン専用プランを拡充させる一方、運営・維持コストがかかる実店舗の携帯ショップを減らす姿勢をみせており、その流れに乗るかたちでユーザー側にもオンラインで端末購入から新規契約、各種変更手続きまですべてを済ませる行動様式が浸透。また、携帯ショップで端末を購入すると頭金がかかったり、スタッフによるサポートを受けると手数料が発生することもあり、携帯ショップの利用者は減少傾向にある。だが、実は携帯ショップに足を運んだほうが、トータルでみるとコストダウンにつながり、年間10万円以上の節約になるケースもあるという。携帯ショップの賢い活用術について、専門家への取材をもとに探ってみたい。

●目次

手数料を払ってでも店舗で行うとお得な場合も

 実際のところ、携帯ショップに出向いて手続きをしたほうがトータルで負担する費用の削減につながることはあるのか。スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信するサイト「シムラボ」運営元に聞いた。

「基本的には手数料がかからないオンラインでの契約がお得ですが、 ・どんなプランが自分に合っているかわからない際に、新規契約や契約内容の見直しをする場合 ・端末を買う場合 については、店舗のほうはお得になる場合もあります。

 前提としてオンラインと店舗を比較した場合、手続き内容が同じならオンラインのほうがお得な場合がほとんどです。新規契約、機種変更、プラン変更などの各種手続きにおいてはオンラインなら事務手数料が無料なのに対し、店舗では手数料がかかるキャリアが多いです。また、端末購入時も一部の店舗では頭金が必要です。スマホキャリアにおける頭金は、代金の一部前払いではなく上乗せされる仕組みなので、簡単にいえば同じ端末でも店舗のほうが価格が高い場合があるということです。

 ですが、契約キャンペーン次第では店舗のほうがお得になる場合もあります。店舗が独自のキャンペーンを実施することがあり、特に家電量販店の大型店舗ではオンラインより豪華なキャンペーンを実施していることがあります。ただし、店舗で契約すると手数料がかかるうえ、実際に店舗に行ってみないとキャンペーン内容がわからないのが難点です。それを踏まえると、手続き内容が決まっている場合はオンラインがお得でしょう。

 一方、どんなプランがあるか、どんなプランが自分に合っているかわからない人が、新たに契約したり契約内容を見直す場合は、手数料を払ってでも店舗で行うとお得な場合もあります。店舗ならスタッフに相談しながら最適なプランを選べるからです。もちろん、自分に最適なプランを自分で選べるならオンラインがお得ですが、契約中のキャリアにどんなプランがあるかさえ知らない人も多いでしょう。

 また、自分の利用状況(月にどれだけ通話やデータ通信をしているか)をしっかり把握している人も多くはありません。そんな方でも、店舗に行けば過去の利用状況をもとに、スタッフが最適なプランを提案してくれます。こちらの記事に書いたとおり、私の妻の家族は月1万2364円、年間で14万円以上の節約に成功できました。ここまでの額でなくても、数百円でもコストダウンできれば手数料もあっという間に回収できます。よくわからないまま長年使っている人は、一度店舗で相談してみるとよいでしょう。

 端末価格は基本的にオンラインのほうがお得ですが、オンラインでは実機を確認できません。『届いたけど思ったより大きかった』『思っていた色と違った』『肌触りがツルツル/ザラザラだった』などの理由で、我慢できずに買い替えるようなことになれば大損です。一方、店舗では実際に端末の実機を確認できます。サイズ、色、肌触りなどをしっかり確認して購入すれば納得して購入でき、気に入って長く使えれば結果的にコストダウンになります」