夏の車内熱中症に注意!炎天下の車内温度と効果的な冷却術
夏のレジャーシーズン、車での外出が増える中で、車内の熱中症には特に注意が必要です。
アスファルトの照り返しや車の排熱によって、車内やその周囲は公表される気温よりもはるかに高温になることがほとんど。
命に関わる熱中症から身を守るため、車を利用する上での暑さ対策は欠かせません。
炎天下の車内は50度超えも!JAFの実験が示す危険な温度

JAFが行った実験では、気温35度の猛暑日に直射日光にさらされた車の車内温度がどのように変化するかが観察されました。
実験では白い車を外気温35度の晴天日の昼12時から16時まで直射日光にさらし、車内温度の変化を計測。
エアコンで25度に設定されていた車内は、エンジンを切りエアコンを停止すると、わずか5分で10度上昇しました。10分後には体温を超える37.8度、1時間後には48度に達し、最高値は52度を記録。4時間の平均車内温度は47度と非常に高く、ダッシュボード上の温度は74度にも及びました。
この温度では、体が触れればやけどを負う可能性があり、物が置いてあれば破損や爆発につながる危険性も考えられます。
この実験は、同型の黒いボディ色の車、サンシェードを使用した車、窓を3cm開けた車、エアコンをつけたままの車も比較しましたが、エアコンを使用し続けた車以外はすべて車内温度が40度以上に。特に、黒いボディ色の車では平均51度、最高57度というさらに高い温度が観測されています。
一方、エアコンをつけ続けた車は平均26度、最高でも27度と快適な車内温度を保てました。しかし、万一エンジンが停止すれば数分で他の車と同様に急速に車内温度が上昇するうえ、アイドリングを続けることによる周辺環境への影響も考慮する必要があります。
車内を素早く冷やす「ドア」「窓」「エアコン」の活用術

炎天下に駐車された車の車内温度は50度を超えることもあるため、いざ乗り込もうとドアを開けると熱気に襲われ、シートやハンドル、ダッシュボードの熱さに耐えきれず、乗車をためらった経験を持つ人は少なくないでしょう。しかし、車の外も暑いため、できれば早くエアコンの効いた車内で涼を取りたいものです。
そのような場合は、ドアを開けてすぐに乗り込まず、ドアをうちわのようにゆっくりと開閉し、車内の熱気を外へ逃がしましょう。ドアを素早く動かすとヒンジなどを傷める恐れがあるので、「いち、にい、さん…」とゆっくりとしたテンポで開閉を繰り返すのがポイントです。スライドドアの場合は、他のドアやリアゲートで同様の操作を行います。
車内の熱気がある程度和らいだら車に乗り込み、エアコンを「風量最大、温度最低、外気導入」に設定します。この際、すべての窓を開けておくことも忘れてはいけません。
車内よりも温度が高い外気を循環させて冷やす「内気循環」ではなく、車内よりは温度が低い外気を直接取り込んで冷やす「外気導入」を使用することで、エアコンからの風が早い段階で冷たくなります。さらに、車内の熱気を窓から効率的に追い出せるため、短時間で車内の熱を取り払うことが可能です。この状態で車を走らせれば、走行風によってさらに熱気が窓の外へ逃げやすくなります。
ある程度車内が冷えてきたら、窓をすべて閉め切り、エアコンを「内気循環」に切り替えます。これにより、冷気を車内に閉じ込め、効率よく車内の涼しさを維持できるでしょう。
「熱気を車内から追い出す」そして「冷気を車内に閉じ込める」という2つのポイントを抑え、夏のドライブを安全に乗り切りましょう。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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