参院戦は自公の過半数割れになり、衆参両院で少数与党になったが、石破首相は続投を表明した。このままだと8月1日に開かれる臨時国会では首班指名はないので、しばらく彼は首相に居座ることができる。
この場合に彼を引きずり降ろす方法は、両院議員総会を開いて新総裁を指名するしかない。1979年の40日抗争のパターンである。
40日抗争はいかにして起こったか当時は第2次石油危機の最中で財政が逼迫し、新たな財源の必要に迫られていたので、大平は財政を再建するために一般消費税を創設しようと考えたが、党内では賛否両論があった。
このため大平は国民の支持を得て増税を実行しようと考え、9月17日に衆議院を解散したが、過半数を割った。追加公認を加えて過半数をかろうじて上回ったが、非主流派からは大平の退陣を求める声が上がったため、首班指名ができなかった。
そこで主流派は両院議員総会で大平総裁を指名しようとした。反対派がバリケードを築いたが、それを撤去する浜田幸一議員などが大暴れし、大平総裁の続投が決まった。

両院議員総会を阻止するバリケードを撤去する浜田幸一
11月6日に開かれた臨時国会では、首班指名に自民党から大平と福田の2人が立候補する前代未聞の事態となったが、結果は大平138票、福田121票で大平が首相に再選された。これが40日抗争である。
「石破おろし」の両院議員総会で誰が選ばれるか今回も党内では麻生氏が「続投は認めない」と発言するなど反発が広がっており、今月中に両院議員懇談会を開く予定だ。これには議決権がないが。石破総裁の辞任を求める声が噴出するものと思われる。
臨時国会は8月1日に開かれる予定なので、新総裁は間に合わないので首班指名はできない。そこで8月中に両院議員総会を開いて新総裁を選出する案が出ている。総会は選挙人(自民党所属の国会議員と各県連3名)の過半数で開ける。
開催は十分可能だが、問題は石破総裁に代わる候補がいるかどうかだ。今のところ高市早苗氏が手を上げているが、予備選を省略して総裁選をやるとなると、派閥の支持の厚い候補が有利になる。