参議院選挙における日本保守党のマイク納めが7月19日の18時台から東京駅側の丸ビル向かいで行われた。開始前から地上には人、人、人で熱気が溢れかえっていた。ビルの中からも多くの人が観覧していたのも印象的であった。

日本保守党公式Xより

同党代表で公認候補者の百田尚樹氏、事務総長の有本香氏、公認候補者の北村晴男氏(弁護士)、同じく公認候補者の小坂英二氏(元荒川区議会議員)の演説があったが、百田氏と有本氏の演説が中心だった。小坂氏は連日の演説によって声が枯れ、声を絞り出すように演説していたことも筆者の印象に残った。

候補者演説の中で筆者が最も感銘を受けたのが、代表の百田氏の話である。百田氏は大正時代(1912〜1926)生まれの人々が大東亜戦争で多く戦死し、また生き残った者たちが戦後の日本を作ってきたのだと力説されていた(百田氏の父君もまた大正生まれである)。青春時代を「地獄の戦場」で過ごした大正生まれの男たち。そして生き残り、戦後、額に汗して働き日本の復興に尽力した大正世代の人々。

余談となるが、筆者の祖父も大正12年(1923年)の生まれである。戦時中は本土(九州)にいて、そこで上陸してくるであろうアメリカ軍を塹壕を掘り迎撃せんとしていた。しかし、敗戦となったため、実際に米軍と戦うことはなかったし、命を長らえることができた。戦後は造船所に勤務し懸命に働いた。そうした祖父の人生のことが百田氏の演説を聞いて改めて思い起こされた。百田氏の「明治以降最も不幸な世代。同時に最も偉大な世代」が大正世代だとの言葉も印象的であった。

さて百田氏や有本氏の演説の中では自民党を強烈に批判する箇所が度々あった。その度に聴衆の中からは拍手が湧き起こり、時に「そうだ!」との叫び声も聞かれた。現在、そしてこれまでの自民党政権の政治への人々の不満が大いに高まっていることが容易に見て取れた演説会であった。日本保守党のマイク納めの場は冒頭で記したように人々の熱気で覆われていた。