コロンビアで相次いで目撃され、UFO界隈を熱狂させている謎の金属球「ブーガの球体」。メキシコの著名なUFO研究家ハイメ・マウサン氏が「非人類起源の未知の技術だ」と強力に推進するこの現象に、今、大きな疑惑の目が向けられている。
懐疑派の調査員が、最新の映像に「釣り糸がはっきりと映っている」と指摘したのだ。果たしてこれは本物のUFOか、それとも巧妙なデマか。騒動の核心に迫る。
疑惑の火種:「釣り糸は見えるか?」論争
この騒動に火をつけたのは、超常現象の調査で知られるミック・ウェスト氏だ。彼は、マウサン氏が公開した最新の映像を分析し、「太陽光を反射して光る釣り糸が、球体を吊り下げているのがはっきりと見える」とSNSで指摘した。
この投稿は瞬く間に拡散され、ネット上では「確かに見える」「いや、何も見えない」と賛否両論の大論争に発展。そんな中、当初は球体の存在に肯定的だったUFOチャンネルまでもが独自の検証を行い、「確かに、光の反射は球体と一直線に並んでおり、糸の存在を否定できない」と認め、疑惑は一気に深まった。
In Jamie Maussan’s latest “Buga Sphere” video, the fishing line suspending the silver ball is clearly visible, reflecting the sun. (view full screen) pic.twitter.com/1H1z8Ie4VL
— Mick West (@MickWest)July 15, 2025
It’s the vertical highlight above and slightly to the right of the sphere. You can’t see the whole line, just the highlight. pic.twitter.com/qPmv8Nak4f
— Mick West (@MickWest)July 16, 2025
科学分析が示した「魔法ではない」正体
追い詰められたマウサン氏側だが、彼らには「科学的なお墨付き」があるはずだった。彼は以前、「本物の証拠」としてメキシコの名門、メキシコ国立自治大学(UNAM)の分析報告書を誇らしげに公開していたからだ。
しかし、皮肉なことにこの報告書こそが彼の主張を根底から覆すものだった。報告書が示した球体の正体は、以下の通りだ。
材質:ごくありふれた「アルミニウム合金」。 製造法:「鋳造」。つまり、型に溶かした金属を流し込んで作られた、典型的な工業製品。 表面のピン:熱に弱い「ベークライト」という樹脂で固定された「光ファイバー」。
結論として、この物体は「大気圏再突入の高温には耐えられない」「既知の材料と製造プロセスで作られた地球製の物体」であるとされている。マウサン氏が主張してきた「水を蒸発させる」「重さが変わる」といった魔法のような特性は、科学的に完全に否定されたのだ。