山田新 写真:Getty Images

 E-1選手権の日本代表FW山田新は7月19日、川崎フロンターレからスコットランド1部セルティックへの完全移籍が正式決定。現地メディアが同選手の移籍金を報じているが、市場価値との比較により、一部報道内容の適切さが実証されている。

 現在25歳の山田は、川崎の下部組織や桐蔭横浜大学を経て、2022年に川崎の特別指定選手に。プロ2年目の2024シーズンにJ1リーグで19ゴールを挙げてブレイクを果たしたが、2025シーズンはここまでリーグ戦で2ゴールにとどまっていた。

 英メディア『スカイスポーツ』が19日に伝えたところによると、セルティックは山田の獲得により、移籍金として150万ポンド(約2億9,000万円)を支払うとのこと。今季ここまでの成績を踏まえた上で高額だという意見が挙がっているが、『サン』は移籍決定前から「150万ポンドという移籍金はバーゲン価格だ」と報じていた。

 一方、国際サッカー連盟(FIFA)の関連調査機関である『CIESフットボール・オブザーバトリー(スポーツ国際研究センター)』は7月18日、Jリーガーの市場価値トップ10を公表。これによると、山田の市場価値は290万ユーロ(約5億200万円)であり、首位のファジアーノ岡山所属MF佐藤龍之介とは90万ユーロ差。日本円にして、移籍金が市場価値より2億円程度安いことを踏まえると、「バーゲン価格」という一部の主張に頷ける。

 Jリーグから海外へ渡る日本人選手は年々増加傾向に。再三にわたり「Jリーグクラブは移籍金を引き上げるべき」との意見が沸き起こっているが、こうした意見にCIESも反応。公式Xアカウントにて「完全に同意」「日本人選手の市場価値は上昇していますが、まだ到達可能なレベルには達していない。クラブの観点から、次のステップは選手とより長期間の契約で結ぶことだ」と主張している。