営業部門の社員による利用も多い
クリエイティブ部門の社員のみならず、営業部門でも高い頻度で使用されているという。
「幅広い職種の社員が使っており、さまざまな使い方があるのですが、営業部門の社員による利用も多いです。マーケターやクリエイターとの打ち合わせ前に、営業担当者がいったんこのAIを使って自分でコンセプトワークを行い、それをアイディアに関するディスカッションの叩き台にするといった使い方が多いです。利用者の割合としては営業担当者が40%ぐらいで、残りの半々がマーケターとクリエイターというイメージです。
クリエイティブ部門とマーケティング部門の社員はもう少しアドバンスな使い方をしていまして、これまで自分たちが行っていたコンセプト開発に、細田CCOの思考方法に照らし合わるというプロセスを追加して思考整理をより深めることによって、これまで気づけてなかった視点を得るという使い方をしています」(豆谷氏)
AIの導入により、目に見える業務効率向上の高い効果が出ているという。
「職種によって効果に違いがありますが、当初の見立てでは1回の利用あたり4時間ほど時間削減効果が出ると見込んでいて、約4000時間の業務時間の削減効果がありました」(豆谷氏)
難易度の高い仕事により多くの時間を費やす
人手不足が叫ばれる昨今、同社としては業務時間の削減を将来的には人件費の抑制につなげたいという意向があるのか。
「AIを使う大きな目的は、業務時間を削減することも実現しながら、それによって社員の仕事の密度が高まり、難易度の高い仕事により多くの時間を費やしていき、人間しかできない創造的な仕事によってクリエイティビティを世の中に提供していくという点にあります。今後は発想支援など人間の創造性を支援するAIを開発し現場に投入していこうという発想です」(豆谷氏)
同社は今後もAI活用をさらに進めていく計画だという。
「コンセプト開発が主な用途である『STRATEGY BLOOM CONCEPT』の利用状況やメリット・デメリットを検証した上で、さまざまな分野のスター社員のスキルをAIサービス化していくことを検討しています。まず、今年度中にもマーケティングスキルに関するAIサービスを2つぐらい開発したいと考えております」(豆谷氏)