マンションの自主管理は困難
高齢マンションでは、他にもトラブルが増えているという。
「管理組合を構成するメンバーが80代、90代と高齢になって、管理組合自体が全く機能していないマンションというのが出始めています。築年の古いマンションで、かつ小規模な物件になると、理事長や理事の成り手がいないという事態が出始めています。管理会社は自ら物事を決めるのではなく、あくまで管理組合に提案をして決裁してもらわないと何もできないので、責任を持って管理できないということで、管理会社が再契約をせずに撤退するマンションも出始めています。そうなると自主管理という形になりますが、管理会社が逃げてしまうようなマンションを自主管理するのは難しいので、高齢化が原因で何も意思決定ができないようなマンションは、さらに老朽化が進んでしまいます。最終的にはスラム化するマンションが増えて社会問題につながる可能性もあります」
(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=牧野知弘/オラガ総研代表取締役)