2025年7月16日14時(UTC)に開始された、世界的オークションハウス「サザビーズ」の自然史オークションにて、火星の隕石NWA-16788が驚異の価格で落札されました。
その価格はなんと、529万6000ドル(約7億9000万円)。
なぜこの火星隕石はここまで注目され、そして高額で落札されたのでしょうか?
目次
- 火星隕石って何?世界最大の火星隕石NWA-16788とは?
- 7億9000万円で落札!その未来は博物館か、金庫の奥か?
火星隕石って何?世界最大の火星隕石NWA-16788とは?
まず、「火星の隕石」とは何でしょうか?
実は火星から地球に“石”が飛んでくることは科学的に証明されています。
火星に小惑星などが衝突すると、衝撃で地表の岩石が宇宙に弾き飛ばされることがあります。
そのうちの一部が地球の重力に引き寄せられ、地球に落下してくるのです。

火星の隕石は、地球の大気圏を通過した後に残ったものなので、通常、小さな破片となってしまいます。
しかし、火星の隕石NWA-16788は重さは24.67kgと巨大です。
地球で2番目に重い14.51kgの「Taoudenni 002」よりもはるかに大きいため、多くの人々の注目を集めてきました。
そんなNWA-16788には、内部に衝撃で溶けた痕跡や、マスケリナイト(maskelynite)と呼ばれるガラス質鉱物が含まれており、これらは小惑星が火星に衝突し、その時の火星の一部が地球へ飛んできた証拠だと考えられます。
また、NWA-16788の組成は粗粒の輝石、マスケリナイト、カンラン石で構成される珍しいタイプであり、火星隕石全体のうちわずか5.4%しか存在しない超レア種です。
このような特徴から、オークションに出されたNWA-16788は、「いったいどれだけの値が付くのだろうか」「誰が落札するのだろうか」と注目を浴びてきました。
7億9000万円で落札!その未来は博物館か、金庫の奥か?
