総務省はふるさと納税の仲介サイトでのポイント付与を禁止することを発表し、2025年10月から適用する予定です。
これに対し楽天グループがポイント付与禁止の無効確認を求めて提訴する騒ぎになっています。
私はふるさと納税に関してはポイント付与だけではなくそもそもふるさと納税自体を見直すべきだと以前から考えています。
ふるさと納税とは納税ではなく実は寄付です。自分が指定した自治体に寄付をすることにより、実質負担2000円でその分を所得税から差し引くことができ実質減税になる仕組みです。
応援したい自治体を自分の意思で選んで、経済的にサポートできるようにする目的で作られた制度ですが、現実はほとんどの利用者は返礼品目当てにふるさと納税を行っています。
2000円の負担で牛肉やうに・いくら、カニといった高級食材がもらえるからやっているのです。
それを後押ししているのが、楽天のような民間のふるさと納税サイトです。
この返礼品の原価や郵送コストに事務経費を含めれば、4割以上のコストがかかっているはずです。
つまり、誰かが100万円のふるさと納税をしたとすると、住んでいる自治体の税額が100万円減少し、その中から返礼品コスト等で40万円近くが消えてしまい、寄付される実質的な金額は60万円になってしまうということです。
税金を受け取る自治体を変えるだけで手数料が40%かかるとしたら、普通は誰もやろうとしないはずです。この40%で潤っているのがふるさと納税サイトの運営業者やふるさと納税を利用している人たちです。
実に非効率な制度ではありますが、やらない人が損をする仕組みなのでわかっている人は無駄だと知ってやっているのです。
ポイント廃止に楽天が反対しているのは、単なる企業の私利私欲です。そのレベルではなく、国家全体としてこの制度がいかに税金のムダ遣いで不公平なものであるかを訴える人がいないのは何とも残念です。