映画『死霊館』ユニバースで世界的に知られる、実在の呪いの人形「アナベル」。そのアナベル人形と共に全米をツアーしていた超常現象研究家が、訪問先のホテルで謎の死を遂げた。この衝撃的な出来事は、オカルト界に大きな波紋を広げ、「アナベルの呪いではないか」という憶測を呼んでいる。
亡くなったのは、ダン・リベラ氏(54歳)。彼は、映画にも登場する著名な超常現象研究家、エド&ロレイン・ウォーレン夫妻が設立した「ニューイングランド心霊研究協会(NESPR)」の著名なメンバーだった。
事件が起きたのは7月13日の日曜日。リベラ氏は、アナベル人形を各地の心霊スポットに運び展示する「Devils on the Run(逃走中の悪魔)」ツアーの最中、ペンシルベニア州ゲティスバーグのホテルの一室で亡くなっているのが発見された。救急隊の記録によれば、死因は心肺停止の疑いとされているが、公式な発表はまだ行われていない。
囁かれていた「不吉な予兆」
リベラ氏が訪れていたゲティスバーグは、南北戦争における最も血なまぐさい戦いが行われた地として知られる心霊スポットだ。彼はこの地で満員の観客を前にイベントを成功させたばかりだった。
しかし、このツアーは当初から物議を醸していた。ウォーレン夫妻のオカルト博物館に厳重に保管されているアナベル人形を外に持ち出すことは、「混沌を解き放つ」危険な行為だと主張する声が、超常現象研究家の間から上がっていたのだ。
そして、その懸念を裏付けるかのようにツアー先では不吉な出来事が相次いでいた。ルイジアナの歴史的なプランテーションでの火災、ニューオーリンズの刑務所からの11人の脱獄…。これらがアナベルのツアーと時期を同じくして起きたことから、「呪いの証明だ」と囁かれていた。
皮肉なことに、リベラ氏自身は亡くなる前日のプレゼンテーションで、これらの事件とアナベルとの関連性を否定していたという。彼は、師であるロレイン・ウォーレンの教えに従い、聖水を仕込んだ特製のケースでアナベルを運び、自らも白い光のオーラを視覚化するなど、霊的な防護策を徹底していた。
