同大統領は実際、議会の強硬派が採決した厳しい罰則を規定したヒジャブ法の施行に反対してきた。今回のイスラエルのイラン攻撃で同大統領のプレゼンスは明確ではないが、健在ならばハメネイ師後のある一定期間、イランの再建の中心人物として活躍できるのではないか。
ちなみに、後継者候補の一人としてメディアで騒がれている人物はイラン革命前のイランに君臨していたパフラヴィー朝(1925年から1979年)モハンマド・レザー・シャー・パフラヴィー国王の息子、元皇太子レザ・パフラヴィー氏(64)だ。同氏は米国に亡命中だ。

クロシュ・レザー・パフラヴィー氏とハメネイ師 Wikipediaより
なお、イランの同盟国のロシアと中国の出方だ。ロシアは対ウクライナ戦争ではイランから無人機やミサイルを手に入れてきたこともあって、イランの現体制の崩壊は願わしくないはずだ。ただし、イスラエル・イラン戦争の結果、世界市場の原油価格が急騰してきた。原油、天然ガスの輸出が最大の収入源のロシアに取っては朗報だろう。中国はイランから原油を輸入してきた経緯があるから、イラン現体制の維持を期待しているはずだ。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年6月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。