もともとトランプ大統領の支持基盤は、思想政策の方向に共鳴する「MAGA」主義者と、転向してトランプ支持者になった共和党員の「ネオコン」を含む勢力によって構成されている。民主党系の人々に立ち向かうときには、共通の敵を持つ同士として連携しうる。しかし中東における軍事行動の案件となれば、思想的な違いによる亀裂が入り、対立を見せるだろう。

トランプ大統領自身は、この状況の中で、迷いを見せて逡巡している。そしてどの時点で、どのような判断を下すかは、非常に予測しにくい状況となっている。

イスラエル・イラン戦争は、場外戦の「MAGA」対「ネオコン」の対立で、アメリカのトランプ政権を揺るがす事態の可能性も作り出している。

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