CluelyのAIは、ユーザーの画面と音声を解析し、必要な情報や回答をリアルタイムで提示します。

重要なのは、このツールが非常に巧妙に作られており、Zoomなどのビデオ会議や画面共有に一切映り込まない点です。

面接官や監督者には存在が分からない“透明なカンニングパートナー”として機能するのです。

この特性を強調する形で、Cluelyは話題性を狙ったプロモーション動画を公開しました。

Lee氏が高級レストランで女性とのデート中、AIの指示をこっそりと受け取りながら年齢や芸術知識について語るという内容で、視聴者の間で賛否両論を呼びました。

Cluelyのスローガンは、”Cheat on everything(すべてでズルを)”であり、彼らのAIツールはまさにそれを体現したものとなっています。

そしてこの企業の前進は止まらないようです。

Cluelyが22億円の資金調達を報告!彼らが目指す「誰もズルをしない世界」とは?

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「皆がズルをする」世界を目指すCluely / Credit:Canva

Cluelyの存在がこれほどまでに注目を集めているのは、単なるプロダクトのユニークさだけではありません。

創業者のRoy Lee氏は、SNSを駆使した大胆なマーケティングを得意としています。

前述のレストランでのデート動画では多くの批判も浴びましたが、一方で、広告としては非常に効果的だったようです。

また、Y Combinator主催のAIスタートアップイベントの後にCluelyが主催しようとした非公式アフターパーティでは、なんと約2000人が殺到。

警察によって中止される騒動に発展しました。

Lee氏は「酒は次回のパーティ用に残っている」とコメントし、反省の色は見られません。