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金(ゴールド)やビットコインの価格が上昇しています。
ビットコインはアメリカ議会での暗号資産関連の法案審議が進むとの期待から、12万ドルを超えるまで上昇しました。日本円でも1,800万円台になっています。
金も上昇を続けています。三菱マテリアルが作成した金の円ベースの価格の推移(図表)を見ると、為替が円安に振れている影響も相まって価格上昇に弾みがついていることがわかります。
これらの資産価格は上昇しているように見えますが、裏を返せば法定通貨の価値が下がっていると考えることもできます。
金が1グラム2000円から10,000円に値上がりしたとすれば、逆の見方では10,000円で5グラム買えた金が1グラムしか買えなくなったということです。
為替に例えれば、1ゴールド=2000円が1ゴールド=10,000円になった。つまり1ドル=200円が1ドル=1,000円になったのと同じです。「ゴールド高・円安」になったと考えるとわかりやすいでしょう。
かつて、ソフトバンク創業者の孫正義氏が自身の髪の毛について「髪の毛が後退しているのではない。 私が前進しているのである」とつぶやいたことが話題になりました。
髪の毛とは相対的なものであって見方によって前進とも後退とも見ることができる。金やビットコインの価格変動もこれと同じです。
金やビットコインのような資産は、法定通貨ではありませんが、通貨の一種と考えることができます。
交換比率が高まっていることが価格の上昇となっているわけですが、金やビットコインが上がっているのではなく法定通貨が下がっていると考えるべきでしょう。
確かな事は法定通貨を持っている人たちはどんどん貧しくなっているということです。
インフレによって法定通貨の価値は毀損していきます。これは日本円だけではなく、円以外の外国通貨に関しても同じです。