トランプ自身の対応も不信感を深めている。
先週開かれた閣僚会議でエプスタイン関連の質問が及ぶと、「そんな話をしている場合か」と不快感を表明。Truth Socialでは「なぜ皆でボンディを攻撃するのか」「身勝手な人間たちが決して死なないエプスタインをめぐって政権をおとしめようとしている」と強く擁護の姿勢を示した。
さらに司法省は他殺説を否定しようと、エプスタインが死亡した当時の収監施設の監視カメラ映像を公開したところ、これに編集疑惑が浮上。また、批判の矛先をかわしたいトランプが、資料はオバマ元大統領、ヒラリー・クリントン、バイデン政権など政敵の一部によって捏造されたと突如言い出すなど、混迷を極めている。
情報公開を強く求めているのは、タッカー・カールソン、ローラ・ルーマー、ニック・フエンテスなど保守系インフルエンサーたちだ。カールソンが先週の保守派のイベントで、エプスタインがイスラエルのために「働いていた」とスパイ説を示唆すると、これをナフタリ・ベネット元首相が完全否定するなど、議論は国際的な広がりを見せている。さらに、トランプ氏と袂を分かち第三政党の設立を進めるイーロン・マスク、彼と対立するスティーブ・バノンも議論に加わり、話はますます膨れ上がっている。
情報公開か、情報統制か。リアル版『ハウス・オブ・カード』は、いま新たな章を迎えている。