
奈良クラブは先日、トレーニング中に不適切行為があったとして、中田一三監督と契約解除。一部選手との衝突が原因であるが、中田氏は監督辞任後にパワーハラスメント(パワハラ)問題に関して持論を述べている。
同氏は7月15日にXを更新。「この1か月の間に多くのクラブ関係者と話す機会を頂けた」と切り出すと、J1クラブ監督、日本代表の森保一監督、Jリーグチェアマンの野々村芳和氏といった著名人とも直接パワハラ問題に関して意見を交わしたことを明かしているが、この問題についてこう綴った。
「現在進行形で様々な問題が表面化している事がよく分かった。 これは今後益々加速すると考えている。2022年の法改正で全企業にパワハラ防止措置が義務化。問題が起こった際の対処法より 「発生させない」職場づくりが何より大切なのだと改めてこの立場となって学んだ」
「しかしこの問題は容易に解決する部類ではない事もよく分かった。なぜなら誰もが正しい、正義だと思った考えからの言動だからだ、そしてなにより、自分を責める性質の人が悪者のレッテルを張られる傾向にある。孤立し、一人で問題を抱えている事もまた事実として存在する」
「声を上げた者が被害者となり、加害者を作り出し処分されている人…」と、パワハラ問題の構造を分析した中田氏は、「明日の仕事が奪われることを心配する事のない健全な職場環境作りに貢献する事」が、強い日本サッカーを作ることに繋がると考えている模様。パワハラ問題の解決にむけて、自分自身が「何か役に立てないか」と感じたことも明かしている。
なお、奈良クラブは中田監督の不適切行為について、「中田監督と選手の意見が強くぶつかる場面があり、周囲の仲介で一度は場が収まったが、その後再び両者が接触する中で、中田氏の頭部が選手の身体に当たる行為を確認した」と説明している。