中国代表のサポーター 写真:Getty Images

 中国代表は7月12日に行われたE-1選手権・決勝大会の第2戦で、日本代表に0-2で敗北。15日に香港代表(ホンコン・チャイナ)との一戦を控えているが、中国国内クラブによる露骨な香港代表の戦力ダウン工作が話題になっている。

 香港サッカー協会は13日、MF陳晋一が中国戦を前にチームを離脱し、中国1部の上海申花へ復帰すると公式発表。主力選手の早期離脱により、香港は不利な状況となっているが、同クラブはMF高天意、DF朱辰杰、DF蒋聖竜といった中国代表に招集されている主力選手は呼び戻していない。

 香港代表選手と中国代表選手への対応の違いが明確であるだけに、中国が香港戦で勝利する可能性を高めるためという観点で、上海申花による陳晋一の呼び戻しは意図的なものであるとの見方が広まっており、物議を醸している状況だ。

 しかし、中国『捜狐』はE-1選手権が国際Aマッチデー期間外の開催であることを理由に「上海申花の陳晋一呼び戻しは、この規則に完全に準拠している」などと正当性を主張。上海申花が7月19日に北京国安との上位対決を控えていることも強調したが、同クラブ所属で中国代表に招集されている3選手には一切触れていない。

 現在22歳の陳晋一は、東京都出身であり、日本と香港のハーフ。2019年6月に香港A代表でデビューを飾るなど、早い時期から頭角を現したことで注目を集めており、2023年1月には香港の傑志からスペインのレアル・ウニオンへ期限付き移籍。上海申花では2024年6月からプレーしており、左サイドバックでレギュラーに定着。2025シーズンは中国1部リーグ戦で2ゴール4アシストを挙げている。