日本経済新聞電子版によれば、東京駅周辺部のオフィス開発が加速するようです。今まで別のエリアと思われていた丸の内、八重洲、京橋、日本橋などが「グレーター東京駅」となり、一体としてエリアとしての価値を高めていくことになります(図表も同紙から)。

このような動きは東京の他のエリアでも起こっています。

例えば、森ビルが開発している麻布台ヒルズは最寄り駅の神谷町だけではなく六本木一丁目とも結びついて、赤坂、溜池、六本木、神谷町、虎ノ門などが一体化していくことになります。

渋谷も原宿や代官山、表参道などとつながれば「グレーター渋谷駅」が誕生することになります。

しかし、一体化が進めば進むほど利便性が高まるかと言えばそうでもありません。街が大きくなりすぎると移動に時間がかかり、むしろ不便になることも多いのです。

また、人が集まりすぎると交通手段が常に混雑しストレスも溜まります。

そして高層ビルの商店街に同じようなチェーン店のお店ばかりが集まって、金太郎飴のような味気ない街ばかりが生まれてしまいます。

さらに場当たり的な開発を続けていると増築された温泉旅館のように導線がわかりにくくなり、街としての魅力が失われるリスクもあるのです。

街の発展はある程度までは必要かと思います。しかしいたずらに街を一体化して大きくするのはやめた方が良いでしょう。

これからはたくさんの人が集まる大きなエリアより、小ぢんまりとしていてもセンスが良い街の方がイケてるエリアとしてこれから注目されるのではないでしょうか?

新宿駅、渋谷駅、品川駅のようなターミナル駅は人が多く広すぎて個性が感じられず、歩いているだけで疲れてしまいます。もはやイケてない街だと思っていますが、これはシニア世代だけの感想でしょうか?

東京駅周辺や麻布台ヒルズ周辺も同じ道を辿ろうとしていますが、せっかく今ある魅力が失われないか心配です。

東京23区の都市開発は相変わらず衰える気配がありませんが、今のままの開発はどこかで限界に到達するような気がしています。

ASKA/iStock