以前、TOCANAでも報じたように、ギザのピラミッド群の地下に眠る謎の巨大構造物の発見が、考古学界を揺るがしている。イタリアの研究チームが最新のレーダー技術でカフラー王、そしてメンカウラー王のピラミッド下に相次いで未知の空間を発見。そして今、その探査の目がついにスフィンクスに向けられ、またしても衝撃的な事実が明らかになったという。スフィンクスの足元深くに伸びる巨大な縦穴と謎の空間――これは、ギザ台地全体が一つの巨大な地下複合体であるという、壮大な仮説の核心に迫る発見かもしれない。
過去の発見と繋がった「スフィンクス下の縦穴」
この一連の発見を可能にしたのは、衛星レーダーで地中の微細な振動を捉え、地下構造を3Dマッピングする「SARドップラー・トモグラフィー」という最先端技術だ。この技術を用いて、研究チームはまずカフラー王のピラミッド下に、そして次にメンカウラー王のピラミッド下にも、酷似した構造が存在することを突き止めてきた。
そして今回、スフィンクスの真下からも、それらと特徴を同じくする巨大な縦穴が発見されたというのだ。スキャンデータが描き出したのは、スフィンクスの中心から垂直に伸び、らせん状の構造物を伴う巨大なシャフト(縦穴)。その先は地下深く、約600メートルと約1200メートルの深さに、それぞれ一辺40メートル四方もある巨大なチャンバー(空洞)へと繋がっているという。
三大ピラミッドに続き、スフィンクスの下からも同様の構造が見つかったことで、「これらは個別の建造物ではなく、ギザ台地全体が巨大な地下ネットワークで繋がっている」という研究チームの主張は、がぜん信憑性を帯びてきた。
超古代文明の「地下都市」説、ついに証明か
「この発見は、ギザの地下に広大な地下都市が存在するという仮説を強力に裏付けるものだ」。研究チームの一員はそう語る。彼らの説は、主流の考古学が定めてきた歴史観を大きく揺さぶるものだ。
チームは、これらの巨大な地下構造物はピラミッドが建設された約4500年前よりもはるかに古い、紀元前3万6400年頃に、我々の知らない高度な文明によって造られた可能性があると示唆している。そして、ピラミッドやスフィンクスは、その地下都市への入り口を「封印」するために建てられた、巨大なモニュメントなのかもしれない。
この説は、エジプトの古文書『死者の書』に記された「死者の都」の記述や、失われた古代の叡智が眠るとされる伝説の「記録の殿堂」の存在とも結びつく。彼らは、約1万2000年前に小惑星の衝突が引き起こした大洪水によって、この高度な先史文明は滅び去ったのではないかと考えている。

