2021年3月に、ロシアの酪農家がウシにVRゴーグルを装着するという奇抜な実験を行いました。
目的はVRを通して太陽の光が降り注ぐ雄大な牧草地を見せることでウシをリラックスさせ、質の高いミルクをより多く生産させることです。
そして今度は、この試みに関心を抱いたトルコの酪農家が2022年に同じ実験を開始しました。
さて、結果はどうなったでしょうか。
目次
- ミルク生産量を増やすため「ウシにVR」を装着
- 1日あたり5リットルも増加
ミルク生産量を増やすため「ウシにVR」を装着

トルコ中央部・アクサライで牧畜業を営むイゼット・コチャック(Izzet Kocak)氏は、農場のウシの一部にVRヘッドセットを装着し、薄暗い搾乳室ではなく、日当たりの良い屋外にいると思い込ませ、ミルクの生産量が増えるかどうかを実験しました。
同国のニュースサイト「Anadolu Ajansi」の取材に対し、コチャック氏は当時このように話しています。
「トルコでは現在、飼料価格が高騰しているため、より多くのミルクを生産するための代替方法を探さなければなりません。
特に冬場はウシを室内に閉じ込める時間が長くなるので、VRを使って外にいると錯覚させれば、ウシが多幸感を抱き、より多くのミルクを生産してくれるだろうと考えました」

コチャック氏は今回、2頭のウシにVRヘッドセットを装着し、屋外の牧草地の映像を見せる実験を10日間つづけました。
また、リラックス効果を高めるため、VRの装着前に心地よいクラシック音楽を聴かせたといいます。
果たして、VRなしとVRありのウシではどんな違いが出たのでしょうか?