土星で観測された奇妙な閃光が、天文学界に衝撃を与えている。2025年7月5日、あるアマチュア天文家が撮影した画像に、突如として現れた謎の発光現象。それは、巨大な宇宙の物体が土星に衝突した瞬間を捉えた、歴史的な光景なのかもしれない。
もしこれが本物の衝突現象だと確認されれば、観測史上初の快挙となる。この謎を解明するため、専門機関は世界中の天文家に対し、画像の提供を緊急で呼びかけている。
アマチュア天文家が捉えた「一瞬の光」
この騒動の発端となったのは、アマチュア天文家マリオ・ラナ氏が撮影した一枚の画像だった。そこには、土星の左側にかすかながらも、はっきりと輝く光点が写っていた。彼は、木星や土星の画像を収集・分析する「DeTeCtプロジェクト」に参加するメンバーの一人だ。
Possible impact on planet Saturn captured by Marc Delcroix, yet to be confirmed, looks significant enough on this image, first of its kind… pic.twitter.com/GlVGMtmysD
— Martin McKenna (Nightskyhunter) (@martinastro2005)July 7, 2025
理論上、土星には比較的小さな小惑星が年に7〜8回も衝突していると推定されている。しかし、これまでその瞬間がはっきりと捉えられたことは一度もなかった。直径1kmを超えるような大規模な衝突となると、その頻度は3000年に一度とも言われる。
今回の閃光が、もし本物の衝突現象であれば、それは人類が初めて目撃する土星への天体衝突ということになる。このニュースは、NASAの職員によってもその可能性が裏付けられ、天文学者たちの間に一気に広まった。
なぜ観測が難しいのか?「消える証拠」の謎
地球のような岩石の惑星であれば、天体が衝突すると「クレーター」という明確な痕跡が残る。しかし、土星のようなガス惑星は事情が全く異なる。
その主成分は水素やヘリウムといった気体。そのため、たとえ小惑星や彗星が突っ込んでも、クレーターはできず、衝突の証拠はごくわずかな時間でかき消されてしまう。今回の閃光のような現象は、まさに「儚い証拠」であり、それを捉えることがいかに難しいかを物語っている。
だからこそ、天文学者たちは色めき立っているのだ。これは単なるデジタル画像の不具合(グリッチ)なのか、それとも本物の天体ショーなのか。真実を確かめるためには、より多くの証拠が必要なのである。
