外苑再開発について「主催者側の意図」を理解して迎えにいかないと、反対派寄りの人の意見も反映しようがないという話

…という話なんかに「感銘を受けました」と言ってくれる「カルチャー界隈」の人が出てきているのは、個人的にすごく大きな変化だと思っています。

というのは、自分は「反対派の人の気持ち」自体はすごくわかるタイプの人間で・・・というか僕自身に限らず、たとえば

日本の再開発もちょっと最近つまんないもの増えてるんじゃ?

って思ってるのはむしろ「マジョリティ」レベルで日本社会に共有されている問題意識だと思うんですよね。

みんな「気持ちはわかる」と思っている人は多いはずなんですよ。

とはいえ、一個一個の再開発プランとかは現実の課題に対して関係者がかなり真剣に考えて練り上げられている事情もあるので、その「スーツ組」の事情も迎えにいかないと、ただただ、

「悪辣な資本主義によって私達の”だいじなもの”が壊されている!許せん!」

⋯と叫んでいるだけでは取り入れようがない。(僕が外苑再開発について発言していた時に”いずれ老朽化したインフラの改修コストが激増するんで”という話をしてもポカンとされてましたが、埼玉の下水道陥没事故みたいな話で急激にリアリティを感じられるようになったのも時代の変化として大きいと感じてます)

そこに「お互いのベタな立場」を超えた「メタ正義」的な双方向のコミュニケーションができるようにならないと、日本は良くならないよ!ということを常々言ってきたのが僕の言論活動だったわけですけど・・・

そういう意味では、この「カルチャー界隈」の、特に「若い世代(30代〜40代)」が、ただ党派的に「敵」と「自分たち」を分けて紋切り型の論争をしてるだけじゃダメだよね・・・という動きをしなくちゃと強く思ってくれている感触があるのはすごく勇気づけられる話だと思っています。

桜木さんは、学生時代下北沢の再開発反対運動に参加してたらしいですけど、そういうタイプの人が再開発の中心にいるというのも「良い変化」ですよね。同時に、実は今も高円寺の再開発反対運動には今でも共感している面があるそうで、そういうタイプの人の意志もちゃんと”スーツ組”とコラボレーションして取り込んでいける構造をいかに作っていけるかがこれから鍵になってくるわけですね。