また私は、2025年5月27日に閉館した中野サンプラザの中に議員の調査権をもって、複数の議員と調査に行った。

中野サンプラザ閉館後、すべての電源を落とし、常時ポンプアップしていた地下水がフロアに溜まることになり、その結果、地下フロアはカビだらけとなった。その後、定期的に水を抜くも、地下フロアはオーバーホールしなければ使い物にならない。一方、地下以外のフロアは当時のままであった。しかし中野サンプラザは50年程度を目途に閉館することを念頭に入れていたことから、建物躯体、電気・ガス・上下水道・通信網等はギリギリのメンテナンスとなっていたようである。

図2に示すように、中野区は改修に100億円以上かかり、回収には50年以上かかるとの見解を示している。改修費はあくまで計算式に入れただけの試算であり、調査しなければわからない。

図2 中野サンプラザの再利用中野駅新北口駅前エリアのまちづくりに関する説明会資料、pp.16

これは中野サンプラザの営業時の年間純利益が約1~2億円ということから算出された数字である。現在、中野サンプラザが置かれている状況を鑑みると純利益がもっとあるはずで、私なりに試算をした。

中野サンプラザを経営していた「株式会社まちづくり中野21」の決算資料からサンプラザ再稼働による純利益について試算した。中野サンプラザは紆余曲折あり、財産整理、リファイナンスをした2011(平成23)年度決算と、サンプラザが閉館した2023(令和5)年度決算を比較すると、現金及び預金は約6.6億円から約15.3億円へと増加、固定負債いわゆる借金は約50億円から約43.3億円へと減少し、合計約16.1億円の実質資産が増え、12年間で割れば年間1.34億円のプラスとなる(表1)。

表1 株式会社まちづくり中野21(中野サンプラザ所有会社)の純利益概算[2011~2023年]