■過去70年の犬籍登録頭数を遡って驚き

プードル、およびトイプードルの登録数がここまで上昇したのは、いつ頃からなのだろうか。
JKCが公開する過去の犬籍登録頭数データを確認すると、1955年〜58年度は「日本スピッツ」、59〜66年度は「アメリカン・コッカー・スパニエル」、そしてその後は「マルチーズ」が67〜84年度の長きに渡って首位となっていることが判明。
続く85〜89年度は「シェットランド・シープドッグ」がトップとなり、90〜96年度は「シー・ズー」と「シベリアン・ハスキー」が鎬を削り合う。
そして97年〜07年度は(記者が最もかわいい犬種として認識している)「ダックスフンド」が、その短い足でトップに躍り出る。だが、なんと08年度以降は今日まで「プードル」が首位の座をキープしていると分かったのだ。

ちなみにチワワは00年度以降からずっと「2位」を維持し続けており、こちらも非常に安定している。
■「犬籍登録頭数」=「人気ランキング」ではない?

…と、ここで改めて気をつけたいのが「犬種別犬籍登録頭数」の定義。

こちらについて、JKCの担当者は「1~12月までの1年間に本会の血統データに新規に血統登録され、血統証明書が発行された犬の頭数です。1年間分の頭数しか日本にいない、という意味ではありません。犬の寿命を10~15年と仮定した場合、その期間の登録数を積算することにより、おおよその頭数は把握できると思われます。ただし、登録後の死亡・輸出の頭数は含まれません」と、説明している。

つまり、こちらは「新たに血統登録された犬種」を指すデータであり、その数値がそのまま「人気犬種ランキング」に直結するようなものではないのだ。

JKCの担当者も、今回のアンケート結果を受けて「『犬籍登録頭数』という用語は、『犬の登録頭数である』という事実と結びつきにくいのかもしれません。『日本に今いる犬の数である』『人気ランキングである』などの誤った解釈により、発信されているのも要因と思われます」と、分析していた。

とは言え、犬種の人気度合いと犬種別犬籍登録頭数が「全くの無関係」とは言い切れないだろう。不動の王者「プードル」から首位を奪還する犬種は、現れるのだろうか…。