グッピーはペットとしても人気な小型の熱帯魚です。
そしてオスのグッピーには、メスへのモテ度が高まる体色があったようです。
カナダ・ブリティッシュコロンビア大学(UBC)の最新研究で、オスの体に見られる「オレンジ色の斑点」が、メスにモテるための重要なシグナルであることが明らかになりました。
このオレンジが鮮やかなほど、オス個体の繁殖率も高まったことが確認されています。
研究の詳細は2025年7月1日付で科学雑誌『Nature Ecology & Evolution』に掲載されました。
目次
- オレンジ色は「モテ色」だった
- 理論上は「3万通りの模様パターン」が可能だった
オレンジ色は「モテ色」だった

これまでの研究でも、メスのグッピーが「オレンジ色の目立つオス」に惹かれる傾向があることは知られていました。
しかし、なぜその色が好まれるのか、そしてどんな遺伝的背景があるのかは、明確にされていませんでした。
そこで研究チームは今回、ディープラーニング(深層学習)を活用し、3,000匹以上のグッピーの体色パターンを詳細に分析。
特に「オレンジ色の分布」と「面積」に着目しました。
さらに3世代にわたる選抜育種によって「よりオレンジの強い系統」と「薄い系統」を作り出し、オレンジ色がどれほど遺伝するかを検証しました。
その結果、オレンジ色は遺伝的にしっかりと受け継がれており、オスの“性格”や“行動”にも密接に関係していることが明らかになったのです。
色が濃いオスほど、メスへの求愛行動が最大で2倍活発であり、アピール時間も長く、メスに選ばれやすくて、交尾の試行回数も多かったのです。
まさに「モテ色」と呼ぶにふさわしい性質です。