7月の参院選を経て、日米同盟を重視し、国益を最優先に考えるリーダーが誕生することが、この危機を乗り越える鍵となるでしょう。現政権の限界が露呈する中、新たな政治的展開が待たれます。しかし、この危機は同時に、過度な対米依存からの脱却と、より均衡の取れた通商関係の構築に向けた転機ともなり得ます。
重要なのは、米中対立という国際環境の中で、日本が明確な立場を示すことです。国益に基づいた冷静な交渉を継続しながら、産業構造の高度化と通商関係の多角化を進める必要があります。外的ショックに対する経済の強靭性を高めることが急務です。
8月1日の関税発動まで残された時間は限られています。参院選後の新たな政治体制の下で、日米両国が建設的な対話を通じて、相互利益に基づく解決策を見出すことを期待したいと思います。日本の未来は、この数週間の対応にかかっています。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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