社会保険料を下げるための“本気の医療改革”とは
参院選もいよいよ中盤戦に突入しました。
毎日、街頭で「社会保険料を下げよう!」と訴え続ける中、ひときわ共感の声が多かったテーマがあります。
それは、「病院の待ち時間が長すぎる」「先生が忙しすぎて診察が一瞬で終わる」という、医療現場のリアルです。

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医師が“本来の仕事”に集中できない日本の現実
なぜ、日本の医療現場はここまでひっ迫しているのか。 その理由は明確です。 医師にあまりに多くの業務が集中しているからです。
欧米では、薬剤師や看護師などが担っている業務を、日本では医師が一手に引き受けている。 たとえば、慢性疾患の定期薬の処方、血圧や体温の測定、生活指導など、 本来は他の専門職が担える業務まで医師が行っているため、 診察本来の時間が削られ、患者も医師も疲弊する状況が続いています。
これは、医療資源の最適活用ができていない非効率な構造です。
タスクシフトという「当たり前」の改革
私たちが提案するのは、「タスクシフト」という医療改革です。 簡単に言えば、医師でなくても対応できる業務は、他の専門職に任せていこうというものです。
とくに重要なのは、薬剤師への一部処方権の付与。 たとえば、慢性疾患の定期薬などは、毎回医師の診察を経ずとも、薬剤師の判断で処方できるようにする。
こうした仕組みは、欧米諸国ではすでに広く導入されている常識的な制度です。 医療の安全性を確保しつつ、効率と質を両立させていくことは可能です。
医療の効率化は、社会保険料の引き下げにつながる
この改革がもたらすのは、単なる利便性の向上にとどまりません。 医療費そのものの削減につながるのです。
医師の人件費は当然ながら高く、業務の一部を他職種に移すことで、 同じ医療サービスをより適正なコストで提供できるようになります。
その結果、医療費全体の圧縮が可能になり、社会保険料の引き下げに直結します。