
東京ヴェルディ、ジェフユナイテッド千葉、柏レイソルOBであり、現在はフットサルコートやサッカースクール、体幹特化のスポーツ教室を運営している近藤直也氏が、Jリーグクラブによる有望な若手選手の囲い込み戦略に苦言を呈している。
同氏は7月9日にXを更新。「7月に入り、いくつかの近隣クラブのジュニアユースセレクションの話を聞いて、モヤモヤした気持ちになる」と切り出すと、自身が関わっている『DO SOCCER CLUB』が例年どおり9月上旬にジュニアユースのセレクションを実施することを明かした上で、こう綴っている。
「他の近隣のクラブではセレクションの時期が毎年どんどん前倒しされていて、今年はどこのクラブも7月に実施。さらに、内定者には「1週間以内に返事をしないと内定取消」と、締切付きで決断を迫るケースもある。その影響で、うちのクラブのセレクションを受けたかったけど、他クラブの返答期限に間に合わないから諦めたという選手が、今年も出てきている」
特定のクラブによる囲い込みや縛りを設けたスカウティングが行われている現状を伝えているが、近藤氏は「選手ファーストと言いながら、クラブ都合の囲い込みが優先される今の仕組み」に対して違和感を抱いているという。
同氏は「本来、複数のクラブから声がかかった選手が、指導環境・方針・指導者との相性を見比べ、自分の意思で進路を選ぶのが健全なあり方だと思う」と主張。育成年代に関わるサッカー関係者に対して「自分たちの都合ではなく、選手自身の未来を本気で考えた上で、行動できているか」考えるよう呼びかけた。
選手の将来を担うジュニアユース世代においては、「どのクラブで、どんな環境で育てるか」が大きな岐路になる可能性が高い。近藤氏の意見には、現場で育成に携わる者としての責任感がにじみ出ているだけに、多くの共感を呼びそうだ。