あなたの隣にもいる「隠れサイコパス」と危険な兆候

 こうした衝動性や共感性の欠如は、犯罪行為に結びつきやすい。世界の人口に占めるサイコパスの割合は1%未満だが、刑務所に収容されている人々のうち、実に20%がサイコパス的傾向を示すというデータもある。

 しかし、全てのサイコパスが凶悪犯罪者になるわけではない。多くは社会に溶け込み、私たちの隣人として暮らしている。彼らは正常な感情を巧みに模倣し、危険な衝動を隠す術を学び、社会で気づかれずに生きているのだ。

 では、そうした隠れたサイコパスを見抜くヒントはあるのだろうか。

 最近の別の研究では、サイコパスと「サディズム(他者に苦痛を与えることに喜びを感じる性質)」との間に強い関連があることが示唆されている。

 例えば、ネット上で執拗に他人を攻撃する「荒らし行為(トローリング)」、ゲームのキャラクターや虫を残虐に殺すこと、あるいは人形にピンを刺すといった行為。たとえ現実の暴力ではなくとも、他者を辱め、苦しめることから快感を得るような行動は、サイコパスの危険な兆候かもしれない、と専門家は警鐘を鳴らしている。

 一見すると些細な違い。しかし、その根底には、脳の構造という抗いがたい生物学的な差が横たわっているのかもしれない。

参考:Daily Mail Online、ほか

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