Kリーグ 写真:Getty Images

 日本のお隣、韓国のKリーグは近年、観客動員数が急増し、リーグ全体が活気づいている一方で、リスペクトを欠いた行動や対立が目立ち始めているようだ。サポーター、クラブ、選手の間で衝突が増加しており、リーグの急成長に関係者の態度や振る舞いが追いついていない現状が浮き彫りになっている。

 韓国メディア『スポーツソウル』によると、Kリーグ2では、金浦のFWパク・ドンジンが仁川ユナイテッドのアベルコーチに対して中指を立て、試合後には仁川のサポーターと口論になったと報じている。

 パクは「先に暴言を吐かれた」と主張したが、挑発に対して中指を立てる行為が許容されるはずもなく、プロとして極めて不適切な行為だ。対する仁川側も反発しており、お互いのリスペクトにかける行動の根深さが露呈した。

 この事件に限らず、Kリーグでは近年、感情的な衝突が顕著になっている。同メディアによると、FCソウルではクラブの象徴的存在だった元韓国代表MFキ・ソンヨンが構想外とされ退団に至った際、一部の熱狂的サポーターが試合中のブーイングやチームバスを囲む行動に出た。監督の選手起用に対し「レジェンドだから起用すべき」と迫る行為が正当とは言えず、クラブ内外で摩擦が生まれた。

 また、スタジアムでも、成績不振に対して監督を執拗に非難する姿も増えている。サッカーはクラブ、選手、ファン、メディアが相互に支え合って成り立っている以上、一方的に感情をぶつけても健全な成長は望めない。

 人気と注目度が増す今こそ、Kリーグは相互理解と節度ある態度によって“成熟したリーグ”への転換を迫られているのかもしれない。