名古屋グランパス 写真:Getty Images

 名古屋グランパスはブラジル1部フルミネンセからFWレレを期限付き移籍で獲得したが、FIFA(国際サッカー連盟)の規定により、公式戦でプレーできない模様。海外では、Jリーグクラブの補強に関して厳しい意見が挙がっている。

 FIFAは選手のシーズン中の移籍に関して、登録自体は最大3クラブであるものの、その期間は2クラブでしか公式戦に出場できないという規定を定めている。レレは2025年1,2月にリオデジャネイロ州選手権でプレーし、同年4月にセアラーSCへ期限付き移籍。セアラーSCの一員としてブラジル1部リーグ戦7試合に出場していた。

 名古屋はリオデジャネイロ州選手権がFIFAの認める公式戦に該当しないという認識のもと、レレを獲得したものとみられる。しかし報道によると、FIFAは州選手権が公式戦に該当すると判断。規定により、名古屋のユニフォームを着てピッチに立つことは不可能だという。

 レレの名古屋移籍に関する一件に関連して、ポルトガル人のサッカーデータアナリストであるジョアン・ミゲル氏は、Jリーグクラブの問題点を指摘。「(日本のクラブは)代理人主導のビジネス(特に外国人選手)のみで選手を獲得している」「テクニカルダイレクターは選手登録のルールすら知らない(サンフレッチェ広島を見れば分かる)」などと綴り、「日本のサッカークラブの運営はとても奇妙だ」と斬っている。

 海外クラブからJリーグクラブへ加入した選手が特定の大会でプレー不可能という事例は、広島でも発生。2025年3月5日に行われたAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)準々決勝第1戦では広島が勝利したが、出場資格のない元U23フランス代表FWヴァレール・ジェルマンが後半途中からプレー。一転して没収試合となっている。