2つめは、都市化による乾燥である。都市化すると、暑くなるだけではなくて、降水がすぐに舗装面から下水に流れて川に出ていってしまうので、都市の地面は乾燥する。乾燥すれば、モヤとか雲は発生しにくくなる。昔は雨がふれば東京も水たまりだらけだったが、それも無くなった。

3つめは、自然の変動である。気候は数十年規模で変化することが知られている(multi-decadal oscillationと呼ばれる)。雲の量が減少すれば、日射量は増える。八丈島のような離島でも全天日射量は緩やかながら増大しているから、この寄与もありそうだ。日射が増えたという現象はじつは欧州でも日本でも共通に観察されていて、「ソーラー・ブライトニング(太陽が明るくなる)」現象と言われている。

以上の要因がどの程度効いているのか、数値的に分解できると面白いのだが、今の所、そのような研究はなされていないようだ。

50年前は都心から富士山が見えることなどまずなかったが、今では毎日見えるようになった。空気が澄んでいるのはよいのだけれど、そのひきかえに、日射は強くなった。

気象庁も、日射が年々強くなっていることを、もっと注意喚起したらよい。

皆さま、お出かけの時は、お気を付けて下さい!

『データが語る気候変動問題のホントとウソ』