雨の京都で青紅葉を愛でるシリーズ。
先日は祇王寺と常寂光寺をご紹介したのですが、実はもうひとつ、この二つのお寺の間にある二尊院も訪ねていました。
二尊院は小倉山のふもとにあり、古くから紅葉として知られています。「二尊院」の名の由来は「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の二尊を祀ることにあります。850年ごろに嵯峨天皇の勅願により慈覚大師が建立されており、1200年の歴史をもつ寺院です。
総門を潜ると道幅の広い参道が現れます。車も通れそうな贅沢な造り。ここが秋になると紅葉の名所となり多くの観光客で賑わいます。
夏は青紅葉の名所として、蒼々とした葉が折り重なり見事な緑のトンネルを作り出してくれます。
二尊院の紅葉の木は特に多くの種子がついていたような気がします。紅葉の葉の間からぴょこっと飛び出ている「紅葉のプロペラ」。これが秋になると乾燥して固くなり、遠い場所まで飛んでいきます。

勅使門
勅使門。今は誰もが自由に通れますが、当時は天皇の遣い、勅使だけが通ることを許されていました。
先述の二尊を安置してあるのが、この本堂。応仁の乱の際に全焼しますが、1521年に再建されました。本堂に掲げられてい「二尊院」の額は後奈良天皇が再建時に書かれたもので、500年を経た今の時代も生き続けています。

動物(畜生)のように考えることなく本能のまま生きる世界、畜生道。

絶え間なく苦難が続く「地獄道」。
本堂の裏手に回ってみます。小倉山の斜面に「六道・六地蔵の庭」という庭が作られていて、そこには六体の「お地蔵様」が立っています。全ての命は六道(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道)と呼ばれる6つの世界を生まれ変わりながら巡っていくという仏教の「六道輪廻」の教えを体現したものです。お地蔵様はこれらの世界を巡る人間たちを見守り救済する存在です。