「忘れる」という、当たり前の幸せ
この苦しみは周囲に理解されにくい。彼女が過去の嫌な出来事を鮮明に語ると、「いつまでも過去にこだわっている」「意図的に昔のことを手放さないだけだ」と誤解されることも少なくないという。
「医学的な例外であることは本当に辛い。自分の身に何が起きているのかを理解してくれる人はほとんどいないし、そのための治療法もほとんど存在しないのです」と彼女は胸の内を明かす。
私たちは日々、多くのことを忘れながら生きている。それは、前に進むために必要な、人間が持つ防衛本能なのかもしれない。レベッカの存在は、我々が当たり前のように享受している「忘れる」という能力が、いかに大切で幸せなことであるかを教えてくれる。
「私にとっては、こうやって記憶することが普通なんです」。その言葉は、忘れることで救われている私たちの日常が、決して当たり前ではないことを物語っているのかもしれない。
参考:LADbible、ほか
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