先月後半から日本に来日する香港人の数が激減しているそうです。その原因は、2011年3月の東日本大震災を予言したとされるとある漫画家の文章です。

2025年7月5日に日本で東日本大震災の3倍はあろうかというほどの巨大な津波がやってくる夢を見たといった内容を書いたのを、香港のインフルエンサーが尾ひれを付けて拡散し、それを真に受け来日を控える香港人が増える騒ぎになったのです。

現在の科学技術では、地震の発生場所、発生時間、その規模を事前にピンポイントに予測することはできません。もし今回の予言が当たったとしても、それは単なる偶然です。

少し考えればわかることですが、このような根拠のない非科学的なデマがSNSで広がるケースが増えています。

参議院選挙が告示されましたが、これについて投票用紙に鉛筆で記入すると改ざんされるという情報が出回っているそうです。あるいは、選挙の投票結果は毎回不正に操作されているといったデマを信じている人も意外に少なくありません。

選挙の開票手続きの方法を少し調べて見れば、不正を行うことがいかに難しいかすぐにわかるはずです。

この手の不吉な予言やいわゆる陰謀論を本当に信じているとすれば、その人はズバリ「情報弱者」です。

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あるいは、もしデマだとわかった上で拡散しているなら、この手の情報を利用して何らかのメリットを得ようとしているとしか思えません。更に悪質な行為と言えます。

根拠のないデマが次から次へとSNS上で拡散されるのは困ったものです。しかし、良いこともあります。

それは誰の言うことを信じたら良いかを見分ける「リトマス試験紙」になるということです。

科学的根拠がない情報や、一次情報ではないまた聞きの情報を疑うことなく受け入れてしまう。あるいは意図的に広げる。このような人たちの言っている事はスルーしておくのが賢明です。

さて、今回の「7月5日の予言」を信じていた、あるいは悪意を持って拡散してきた人たちはどう落とし前を付けるのでしょうか?まさか、最近頻発する鹿児島県の悪石島の一連の地震のことだったなどとは言いませんよね?