公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は4日、2024年度の運用収益額が1兆7334億円だったと発表した。01年度の運用開始以降で初めて5年連続で黒字となった。ただ、過去最大の運用益だった23年度の45兆4153億円からは大幅に縮小した。日銀による利上げの影響で国内債券の運用損益が赤字になったが、外国株式などで補った。

 24年度末の運用資産額は249兆7821億円、収益率は0.71%だった。01年度からの累計収益額は155兆5311億円。

 昨年末までは、外国株式を中心に好調な市場環境に支えられてきた。しかし、その後は米トランプ政権の経済政策をめぐる市場の混乱などで運用益が縮小した。 

 損益を資産別に見ると、国内債券は金利上昇に伴う債券価格の下落で2兆8426億円の赤字。国内株式も8200億円の赤字だった。外国株式は4兆3103億円の黒字、外国債券も1兆857億円の黒字。

 内田和人理事長は4日の記者会見で「世界経済の状況は不確実性を高めている」との認識を示した上で、「短期的な変動に動揺せず、基本的な資産構成を維持して運用する」と述べた。(了) (記事提供元=時事通信社) (2025/07/04-17:42)