アンデルソン・ロペス 写真:Getty Images

 横浜F・マリノス所属のブラジル人FWアンデルソン・ロペスは、シンガポール1部ライオン・シティ・セーラーズFCへの移籍が決定的に。7月5日に行われる明治安田J1リーグ第23節の横浜FC戦を最後にチームを離れる見込みだが、横浜FM退団の裏側が報じられている。

 Jリーグの情報を専門に扱う海外メディア『japaofc』は4日、選手に近い関係者から独自に入手した情報として「セーラーズ移籍という決断は、容易なものではなかった。彼は横浜FMとサポーターに対して深い愛情を抱いていた。しかし、クラブ内部の対立と環境悪化が移籍へと駆り立てた」とリポート。「西野努氏がスポーティングダイレクターに就任して以降、役員からの評価低下が移籍決断の大きな理由のひとつだ。西野氏はブラジル人選手のスタイルを評価していないとして批判の的になっており、選手は不満を抱いている」「横浜FMは当初、セーラーズからのオファーを拒否していたが、クラブ内部の方針に対する不満が高まり、それが彼の負担になった。首脳陣は彼の決断を尊重して退団を認めることにした」と、クラブ幹部の姿勢を移籍の理由に挙げている。

 また、選手本人は「チーム状況が良くない中で去ることを深く後悔している」と述べた模様。J1最下位に沈んでいる現状が退団の理由ではないことを強調した上で、「この決断は主に経営陣との軋轢、そして長年の貢献と献身的なプレーに対するクラブ内部での扱いの悪さによるものだ」と語ったという。

 なお、ロペスの移籍により、セーラーズは移籍金200万ドル(約2億8,900万円)を支払うとのこと。同選手とは年俸300万ドル(約4億3,700万円)の3年契約を結ぶ予定であり、年俸は横浜FM時代の2倍に相当するとのことだ。

 横浜FMのJ1優勝に貢献し、2度J1リーグ得点王のタイトルを獲得したロペス。4月の浦和レッズ戦後、スティーブ・ホランド元監督のスタイルを批判したことは大きな話題になったが、クラブ内部での問題が退団につながった可能性は十分考えられる。