人工物か、自然物か。ジェイムズ・ウェッブが謎に迫る

 さらに科学者たちは、この千載一遇のチャンスを逃すまいと、様々な観測プランを提案している。NASAの火星探査ローバーを使って、火星の近くを通過する際に撮影するという案や、さらにはハーバード大学の天文学者アヴィ・ローブ氏(オウムアムアの“宇宙人探査機説”を提唱した人物)は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使い、この天体に「非重力的な加速」がないかを調べるべきだと主張している。

「非重力的な加速」とは、つまり、ガス噴出や、あるいは人工的な推進システムなど、重力以外の何らかの力によって加速していないか、ということだ。もしそんな動きが観測されれば議論は一気に白熱するだろう。

 果たして、A11pl3Zは遠い星系からやってきたただの岩石か。それとも我々の知らない“誰か”が送り込んだメッセージなのか。人類の叡智を結集した史上最大の観測態勢が、今、この謎の訪問者を待ち構えている。その正体が明らかになる日は近い。

参考:Live Science、ほか

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