宇宙人探しの新常識?「ガンマ線を放つ月」を探せ
この突飛なアイデアは、我々に宇宙人探しの新たな指針を与えてくれる。ローブ氏は、我々が探すべき具体的な天体の特徴を次のように述べる。
「もし、恒星の伴星を持たない、地球のような岩石惑星が見つかったとしよう。そして、その惑星が、奇妙なガンマ線を放つ“月”によって照らされていたとしたら…。我々は、そのガンマ線源が、高度な文明によって作られた(あるいは捕獲された)ミニブラックホールである可能性を真剣に検討する必要がある」
ローブ氏の言葉を借りれば、「時空の歪みから炉を作り出すこと以上に、高度な技術革新の証はない」。つまり、「ガンマ線を放つ月を持つ、孤独な惑星」こそ、超高度文明が存在する何よりの証拠(テクノシグネチャー)だというのだ。
もちろん、この仮説は、存在自体が証明されていない原始ブラックホールを前提としており、現時点ではあくまで大胆な推測の域を出ない。しかし、ダイソンスフィアを探すという従来の考え方に行き詰まりを感じていた宇宙生物学の世界に、全く新しい視点を提供したことは間違いない。
もしかしたら、我々がこれから発見する奇妙な天体信号は、どこかの文明が「ブラックホール・ムーン」を稼働させているサインなのかもしれない。
参考:IFLScience、ほか
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