IOMは6月3日、イランから強制送還されるアフガニスタン人家族の増加について懸念を表明した。5月には1万5675件が記録され、前月の2倍以上に上った。イラン当局は、不法滞在のアフガニスタン人に対し、7月6日までに国外退去を求めている。イラン内務省のナデル・ヤラフマディ氏は国営テレビで、イラン国内に600万人以上いるとされるアフガニスタン人のうち、約400万人が影響を受けると述べた。

一方、パキスタン政府は4月に強制送還のキャンペーンを開始して以来、20万人以上のアフガン人を出国させた。パキスタンは、居住許可を取り消された80万人以上のアフガニスタン人を追放するための強力なキャンペーンを開始した。これらのアフガニスタン人の中には、パキスタンで生まれた人や数十年にわたってパキスタンに住んでいる人もいる。内務省によると、4月には13万5000人以上、5月には約6万7000人がパキスタンを出国し、6月最初の2日間で3000人以上が帰国した。

過去数十年にわたり、数百万人のアフガニスタン人が相次ぐ戦争から逃れ、パキスタンに流入した。加えて、2021年にタリバン政権が政権に復帰した後には、数十万人がパキスタンに流入した。2023年にはアフガニスタン人追放運動が始まり、数週間のうちに数十万人が嫌がらせや逮捕を恐れて国境を越えた。パキスタンを出国したアフガニスタン人は合計で100万人を超えたといわれている。

治安と経済問題が悪化する中、多くのパキスタン人はアフガニスタン人の受け入れにうんざりしていることもあって、国外追放キャンペーンは幅広い支持を得ている。パキスタンは現在、国連難民高等弁務官事務所が6月末に発行した難民カードを所持する130万人のアフガニスタン人に対する保護を撤回すると警告している。

IOMは「両国境を越えた流入は、アフガニスタンの既に脆弱な受け入れ・社会復帰システムを圧倒する恐れがある」と指摘し、「帰還は安全で、尊厳を保ち、自発的であり、受け入れコミュニティが管理可能なものでなければならない」と強調し、全ての国に対し、アフガニスタン人の移民資格に関わらず、安全で自発的かつ尊厳のある帰還条件が整うまで、アフガニスタン人の強制送還を即時停止するようにと改めて求めている。