元広島東洋カープ・高橋慶彦氏のYouTubeチャンネル『よしひこチャンネル』に元南海ホークスの江本孟紀氏が出演。現代プロ野球の「投手の使い方」に怒りをあらわにした。

■現代プロ野球の投手をトーク

動画では高橋氏と江本氏が、現代プロ野球のピッチャーについてトーク。

そのなかで高橋氏が「昔の投手はピッチングに強弱があったが、今はない。『強』ばかりだから、5回までしか投げられないのでは」と指摘した。

すると江本氏も「変な分業制みたいなのが入ってきて、それがさも新しいかのように、メジャーのマネをするようになったのが最大の要因。ピッチャーは9回投げられるんですよ。100球だの関係ない。投げさせればできる」と現代の主流となっている投手分業制をバッサリ切った。

■バウアーで空気が変わった?

さらに横浜DeNAベイスターズのバウアーが中4日での登板を志願したことで、「ピッチャーの空気が変わった」と指摘する。

バウアー来日前のDeNAと東京ヤクルトスワローズのキャンプでは、ブルペンで投手が40球しか投げていなかったそうで、「(投げるのは)リリーフのピッチャーばっかり。しかも、1回しか投げないから、クソ力を入れて筋肉を鍛えて投げる。それがいいと思っているわけ」とコメント。

続けて「回またぎで2回目いったら、大概やられているでしょ。めったに抑えないもんなあ」とつぶやいた。

■「回またぎ」のワードに苦言

話を聞いた高橋氏も「出た、回またぎ」とつぶやき、苦笑い。そして「昔は、3イニングとか2イニングとか普通だった。(最近は)回またぎって言葉も使うじゃないですか。なにが回またぎだよって」とバッサリ切った。

江本氏は「今は1回しか投げさせないからね。馬鹿力入れて、150何キロ。マスコミもおだてて『150キロ出ました!』って。後ろ(ビジョンの球速表示)を見るやつがいるから。バカなんだよ、俺から言わせたら」と“江本節”。

その後も同氏はリリーフ投手を使い方や交代タイミングについて、自身の経験を踏まえながら持論を展開していた。

■先発は100球交代が主流に

今回江本氏と高橋氏が苦言を呈した「回またぎ」は、一般的にリリーフ投手が8回、9回とイニングをまたいで投げることを指している。

ここ数年のプロ野球は中6日で登板した投手を100球で交代させるのが主流。7回以降は中継ぎやセットアッパー、クローザーが1イニングずつ登板し、勝利につなげるスタイルとなっている。また、最近はリリーフ投手でも「3連投はさせない」という独自のルールを設けるチームも増えた。

シーズンを乗り切るための措置だと思われるが、中6日の投手が100球で降板することや、リリーフが1イニング以上投げないことに批判的な声もある。