裏アカ、スタンプ、そして“あの一言”

LINEのロックは解除されたまま。 中を覗くと、“通知オフ”にされたトークルームがありました。 そこには、夫と美香ちゃんのやりとりが、親密すぎるほどのテンションで並んでいたのです。

スタンプ、ハート、あだ名。 そして、私が目を疑ったのは、次の一言でした。

「またあのホテル行こうね♡」

この瞬間、心が音を立てて崩れ落ちました。 家族と過ごすよりも、誰かとホテルに行く時間を優先していたなんて…。 それも、私には“既読スルー”していたその時間に。

即レスと無視──愛情の温度差は通知に出る

Kidokusuru-Sokuresu
(画像=『FUNDO』より引用)

私が送ったLINEには既読がついたまま。 一方で、彼女からのメッセージにはすぐに返信していることがログから見て取れました。

その事実が、何よりも傷つきました。 私という存在が“後回し”になっていることが、スマホの通知ひとつで明らかになってしまったのです。

もう何を信じればいいかわからない。 でも、泣いて責め立てるのは違う。 私は、冷静に、着々と“証拠”を集め始めました。

感情は封印。淡々と記録する日々

LINEのスクショ、クレカの履歴、SNSのつながり。 ひとつひとつ静かに集めていきました。 探偵に頼らずとも、真実はあっさりと手に入るものですね。

「知らなかったふり」は、もうやめよう。 そう心に決めて、私は反撃の準備を進めていきました。

「全部知ってる」とだけ伝えた夜

1週間後、私は夫に静かにスマホを差し出しました。 声を荒げず、責めるような言葉も使わず、ただ、証拠の画面を見せたのです。

夫は、凍りついたように沈黙しました。 言い訳すら出てこないその反応で、すべてを確信しました。

“美香ちゃん”の正体は、もっと嫌なオチ

Kidokusuru-Mikachan
(画像=『FUNDO』より引用)

後からわかったのは、彼女が夫の元カノだったことです。 部署異動で再会し、再燃した関係。 まるでドラマのようですが、現実でした。

しかも彼女は、夫が既婚者であることを知っていたそうです。 わかっていて、奪いにきたのです。

私が“家族を守るために我慢していた時間”の裏で、彼は堂々と裏切っていた。

その事実が、“もう戻らない何か”を私の中で決定づけたのです。