アーセナル 写真:Getty Images

 レンタル先で活躍しても完全移籍が成立しない例は少なくないが、昨2024/25シーズンに40試合以上に出場した選手が所属元に戻るケースは異例といえるかもしれない。選手自身が結果を残しても、クラブ間の資金面が障害となる事態は多いようだ。

 アーセナルのMFファビオ・ビエイラは、レギュラーを掴めない状況が続いたため昨2024年夏にポルトガル1部のポルトへレンタル移籍した。アーセナルのミケル・アルテタ監督の下で出場機会が限られたことで、古巣であるポルトで貴重な実戦経験を積む選択をした。ビエイラはその期待に応え、シーズンを通して公式戦40試合以上に出場。チームがタイトル争いから早々に脱落する中でも安定したパフォーマンスを披露し、献身性と高い技術でファンや専門家の評価を集めた。

 だが英紙『The Sun』によると、ポルトは今夏の完全移籍に必要な資金を確保できない見通し。アーセナルでの現行給与を負担できず、移籍金を含めた完全移籍交渉を進められない状況と報じられている。この結果、レンタル契約が満了するビエイラはアーセナルへ復帰する運びとなった。

 プレシーズンが迫る中、ビエイラはアーセナルに合流し、今2025/26シーズンの定位置争いに臨むことになる見込みだ。同選手がポルトで得た実戦経験は成長を促す要素であり、アーセナルへ貢献することが期待されている。

 ビエイラの持つ卓越したテクニックと視野の広さは、選手層を厚くしたいアーセナルにとって重要な戦力となる可能性を秘めている。

 なお復帰後の詳細な日程や合流時期については現時点で明らかになっていない。