次に、コミュニケーションを密にすることが重要です。定期的な進捗報告や相談を行うことで、大きな手戻りを防げます。「現在このように進めていますが、方向性に問題はありませんか」と確認することで、お互いの認識のズレを早期に発見できます。
また、複数のシナリオを想定しておくことも有効です。プランA、B、Cと複数の選択肢を準備しておくことで、方針変更にも素早く対応できます。そして何より、変更によって得られる新たな経験や知識を、自己成長の機会として活用する姿勢が大切です。
真に評価される人材とは
現代の健全な組織において評価される人材には、共通する特徴があります。
まず第一に、与えられた目標を達成し、期待を超える成果を出すという実績が基本となります。しかし、それだけでは十分ではありません。
個人の成功だけでなく、チーム全体の成功に貢献する姿勢が求められます。課題を発見し、建設的な解決策を提案・実行する問題解決能力も重要です。
さらに、新しいスキルや知識を積極的に身につける継続的な学習姿勢、透明性を持って行動し約束を守る誠実さ、そして変化に柔軟に対応し新しい環境でも成果を出す適応力。これらがバランスよく備わっている人材が、長期的に評価され続けるのです。
職場での評価は、一つのテクニックや処世術だけで決まるものではありません。実力を磨き、誠実に仕事に取り組み、周囲との良好な関係を築くことが、長期的な成功につながります。
世の中に溢れる様々な仕事術は、あくまでもツールの一つです。それらを活用しながらも、本質的な価値を生み出すことこそが、真の評価につながります。自分の強みを活かし、組織に貢献する方法を見つけることが、最も重要な「仕事術」と言えるでしょう。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
■
22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)