そしてそれはロンドンのような大都市だけではなくイギリスのヨークのような小さな中世の街でも同じです。
石畳が並ぶ中世の姿を残した街の中心の通りには直径50センチほどのsliding bollardsと呼ばれる鉄製の巨大なポールが建てられていて車両の侵入を防ぐようになっています。
クラシックな景観が永遠に変わる ― シャンブルズがテロ対策のbollardsを設置して再オープン YorkMix

sliding bollardsの設置状況
sliding bollardsはこのような通りに設置されるだけではなく建物の前や一般家庭の駐車場などにも設置することがあります。なぜならば爆薬を積んだ車両などが突っ込んでくることがあるからです。こういう防御はイギリスだけではなく欧州大陸の主要な都市でも本当に当たり前の光景になってしまいました。
地元の人々は一生懸命努力をして昔ながらの風景を維持しているのにもかかわらず、社会の変化によりこのようなインフラに大変な費用を費やさなければならず、常にいつ攻撃されるかわからないということを意識して暮らしていかなければならない社会になっているのです。
日本の方々には多様性の代償というものが、単に町の風景が変わるということではなく、リスクを常に意識して暮らしていかなければならないという心理的な抑圧も及ぼすということも知っておいて欲しいと思います。